hygge liv! 人生を楽しむ

北欧・ヨーロッパを中心に、海外を飛び回り感じたことや、経験したことを書き綴るライフスタイルブログです。

3/02/2011

月世界旅行


箱根はポーラ美術館へ。企画展はアンリ・ルソー展。
日曜画家と言われる彼に対し、私は正直これまでそんなに興味を持ったことがなかったが、この企画展で近代絵画における彼の功績や、ピカソとの関係を知ることで、かなり見方が変わった。非常に解りやすく勉強になる企画展だった。

彼と関わりのあるアーティストの作品も数多く紹介されていたのだが、中でも記憶に残ったのがこの1902年のフィルム「Le Voyage dans la lune(月世界旅行)」だ。ルソーと実際の面識はなかったようだが、同じパリで同じ時代に生き、超現実に興味を持った芸術家ジョルジュ・メリエスによるSFXファンタジーだ。



このコミカルで超ファンタジックな映像…100年以上前の作品と思わず見ても面白い。1902年といえば後期印象派の時代。その時代にこのような映画が作られていたということは衝撃だった。考えてみるとこのフィルムが制作されたころは、ちょうど絵画においてはセザンヌ晩年でもある。ルソーが幻想世界を描き、近代絵画の父がキュビズムの原型を完成させた時代だ。今ではコズミックとかスペイシーという言葉が頻繁に使われるようになったが、近代フランスにおいてはこの頃がちょうどそういった小宇宙に目を向けるようになる過渡期だったのかと、私は感じた。

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