hygge liv! 人生を楽しむ

北欧・ヨーロッパを中心に、海外を飛び回り感じたことや、経験したことを書き綴るライフスタイルブログです。

2/26/2011

ロング・ナイト・オブ・ミュージアム(Lange Nacht der Museen)

ベルリン滞在中に経験したこの興味深いイベント。
その内容たるや、昼下がりから夜中の2時まで100以上の美術館、博物館が開いているという、私たちからしたら信じられないものだ。この日はベルリン各所でシャトルバスやメトロも夜通し運行し、人々はお酒を飲みながら芸術を楽しむ。本当に想像以上の人が街へ繰り出しているようで、人気の美術館は夜の10時を過ぎても行列が出来ていた。

そんな普段ありえないような光景に心を躍らせながら、まず向かったのはDDR美術館。旧東ドイツの生活やデザインなどが学べる人気の場所だ。イベントのチケットは初めに入る美術館で購入出来る。15ユーロでどこでも入れるしバスも乗り放題だ。ここはベルリンの人々に大人気で、何分か並んで入場。東ドイツの代表車「トラバント」や、たくさんのDDRグッズが飾られている。私はDDRデザインが好きなので、ここは凄く気に入った。オスタルジーに浸る人々も素敵だった。

楽器博物館では、レトロなピアノやサックス、ギターなどが展示されている。ここに着いたのはもう10時以降だったのだが、どんどん人が増えてくるから何かと思ったら、何と夜11時から突然ライブが始まった…!それも「THE OCEAN」というハードコアバンドのライブが…この非常にクラシカルで厳粛な雰囲気の美術館で、突然ハードコアである。正気の沙汰とは思えない。しかしこれまた凄いのが、年配の方々もこのライブを、普通にコンサートを見る感じで楽しんでいる。ベルリン…ちょっと想像を超えている。

今日の締めは新ナショナルギャラリー。私の敬愛するミース・ファン・デル・ローエが建築した美術館だ。ここにはキュビズム以降の芸術家たちの絵画が中心に展示されている。キリコの代表作も見ることが出来た。もう夜中2時近いと言うのに、美術館は人だらけだ。写真のカフェ、無駄がない。まさにバウハウスといった感じのこのカフェで、絵画を見終わった人々は芸術について語りつくす。なんという幸福なライフスタイル。

ということで博物館の長い夜が終わった。こんなイベントが半年に一回あるんだから、この街がアートの街と呼ばれるのも理解できる。それとやはり、ベルリンの人々が老若男女問わずアートを受け入れ、愛しているのが本当に良く解った。生きることと芸術が切り離せない街ベルリンが、私にとって最も魅力的な街の一つなのは当然のことである。
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